ベスト盤じゃ想像を超えてこない
クイーンは70年代から攻める!

QUEEN オリジナル・アルバム
音楽タイプ別
おすすめ5選&全15枚レビュー

巷で流れているクイーンの曲が別に好きじゃない、どメジャーすぎて聴く気もおきない。今までず~っとスルーしてきたクイーンに手を出してみたら予想以上にスゴかった。ベスト盤だけじゃ全然伝わらないクイーンの本質を知るには70年代オリジナル・アルバムから!

QUEEN 音楽タイプ別《70年代》オリジナル・アルバムおすすめ 5選

初期のクイーンサウンドから、新たな境地を模索する過渡期を見届けるのがおもしろい。アルバムごとに音楽性が違うため、好みに合わせて選んでみてください。ハズレはほとんどありません。
その1 > Queen(戦慄の王女)1973年【1st】

フックのあるメロディ、ヘビーなギター。聴き心地が良くてどこか品がある、ファーストアルバムにしてクイーンらしさの詰まったハイクオリティな作品。正統派ハードロックを求める人におすすめ。

その2 > Night The Opera(オペラ座の夜)1975年【4th】

耳の肥えている方はこちらを!ボヘミアンラプソディを最高のかたちで聴くことができるオペラ組曲的コンセプトアルバム。ロックの域を完全に超えています。

1974年にリリースされた'Sheer Heart Attack'【3rd】も同じくらいおすすめ。ロックだけにとどまらない、研ぎ澄まされたハイクオリティな初期のクイーンサウンドの宝庫。長く楽しめます。

その3 > A Day at the Races(華麗なるレース)1976年【5th】

聴きやすいメロディ、分厚いコーラス、優雅でダンディなクイーンを期待する方に最適。ヨーロッパ的(というかフレディ的)ゴージャス感があふれる。ロックを聞かない人でも聞きやすい。

気に入れば、初期のアルバムに遡っていくことをおすすめします。

その4 > News of the World(世界に捧ぐ)1977年【6th】

超有名曲、“We Will Rock You” と “We Are the Champions” が収録されているが、それ以外の楽曲のクオリティがかなり高い。シンプルでパワフルで硬派な名曲がそろったパンク・ロック色の濃いアルバム。

ハマれば次作の'JAZZ'【7th】かその次の'The Game'【8th】が順当。初期クイーンらしいハードロックを求めるなら1stアルバム 'Queen' がおすすめ。

その5 > JAZZ 1978年【7th】

バイシクル・レースに見られるような、ポップでロックでユーモアのある「クイーン節」を求めている方にうってつけ。バラエティに富んだ遊び心あふれる曲のオンパレード。美しいコーラスワーク、ツヤのあるボーカルやピアノが堪能できる。パンチの効いたクイーンワールド全開。

エレクトロ好きの方は 1980年 ‘Flash Gordon'【9th】をどうぞ。80年前後のシンセサイザーの音を堪能できます。

オリジナルアルバム 全15枚レビュー 《1973~1995年》 

  • 1. 1973 | Queen(戦慄の王女)
  • 2. 1974 | QueenⅡ
  • 3. 1974 | Sheer Heart Attack(シアー・ハート・アタック)
  • 4. 1975 | Night at the Opera(オペラ座の夜)
  • 5. 1976 | A Day at the Races(華麗なるレース)
  • 6. 1977 | News of the World(世界に捧ぐ)
  • 7. 1978 | Jazz
  • 8. 1980 | The Game(ザ・ゲーム)
  • 9. 1980 | Flash Gordon(フラッシュ・ゴードン)
  • 10. 1982 | Hot Space(ホット・スペース)
  • 11. 1984 | The Works(ザ・ワークス)
  • 12. 1986 | A Kind of Magic(カインド・オブ・マジック)
  • 13. 1989 | The Miracle(ザ・ミラクル)
  • 14. 1991 | Innuendo(イニュエンドウ)
  • 15. 1995 | Made in Heaven (メイド・イン・ヘヴン)
  • 1973年 Queen(戦慄の王女)【1st】

    重いギターとフックのあるメロディがクセになる正統派ハードロック。美しい旋律に予想のつかない複雑な構成、デビューアルバムにして「これぞクイーン」と言えるほどに仕上がっている。基本的にはキャッチーで聴きやすいが、稚拙な感じは一切ないので欲張りな耳でも純粋に楽しめる。

    映画「ボヘミアン・ラプソディ」でもおなじみ、デビュー曲 “1.Keep Yourself Alive” は、特長的なギター、勢いのあるボーカル、ドラムソロとなかなかの聞きごたえ。 “2.Doing All Right” は、アコースティックギターとエレキギターとピアノが合わさりドラマチックな展開に。“4.My Fairy King” は、フレディの走るピアノ、ロジャーのハイトーンボイス、ギターとコーラスの多重録音によって壮大で妖しい世界観が創り上げられている。今後への期待が高まる。

    デラックス・エディションにはアルバムに入れずお蔵入りとなっていた “Mad The Swine” が収録されている。他の曲とは毛色が違いキンクスが歌いそうなノスタルジックな曲調。透明感のあるフレディの声が初々しい。その他、アルバム曲のデモ音源が数曲収録されているので聞き比べるのも楽しい。

    Mad The Swine 1991年に初めてHeadlongのB面として世に出た。

    ちなみに、自分が初めて聞いたクイーンのアルバムがこの1stアルバム。自分の中にあった「クイーン=アメリカ的大衆バンド」というイメージが一変。クイーンってこんなだったっけ?と目からうろこ。(今聞くといかにもクイーンだけど)


    QUEEN (通常盤)

    QUEEN (Deluxe Edition)
    1.Keep Yourself Alive 2.Doing All Right 3.Great King Rat 4.My Fairy King 5.Liar 6.The Night Comes Down 7.Modern Times Rock'n'Roll 8.Son and Daughter 9.Jesus 10.Seven Seas of Rhye...

    1974年 QueenⅡ【2nd】

    LPで言うところのサイド・ホワイト(A面)とサイド・ブラック(B面)という形でコンセプトが分かれている。

    ブライアンの曲がメイン(1曲だけロジャー)で構成された、しなやかで広がりのある印象のサイド・ホワイトに対して、コテコテのフレディ色に染まった独特の世界観を持つサイド・ブラック。

    “6.Ogre Battle” から始まるサイド・ブラックは、妖しい魅力を放つ楽曲が次々とメドレー形式でたたみかけてくるので、あっという間に飲み込まれたかと思っているうちに終わるという怒涛の展開。“7.The Fairy Feller's Master-Stroke” では多彩な音色が楽しめる。シンセっぽいけどシンセじゃない音の質感が心地いい。

    若干、ゴスっぽさとゲームのような世界観とすんごくキャッチーなメロディがどうなんだろうと思わないでもないけど、それを気にする方がヤボだと思わせる楽曲の良さとフレディの歌声。あまりにセンセーショナルで、仕事中のバックグラウンド・ミュージックにはなりえない(笑)

    当時はプログレッシブや変わったヘビーロックと言われていたようだけど、ギターは重くても全体的にキャッチーだし、そこまで激しい感じはしない。ただただ異色。プログレッシブというカテゴリに入れられるのも納得。他に区分しようがない。

    おすすめ5選には挙げていないが、クイーンが気に入れば必ず聞くべき魅力のつまったアルバム。


    Queen II(通常盤)

    Queen II (Deluxe Edition)
    [Side White] 1.Procession 2.Father to Son 3.White Queen 4.Some Day One Day 5.Loser in the End [Side Black] 6.Ogre Battle 7.The Fairy Feller's Master-Stroke 8.Nevermore 9.March of the Black Queen 10.Funny How Love is 11.Seven Seas of Rhye

    1974年 Sheer Heart Attack(シアー・ハート・アタック)【3rd】

    クオリティの高い様々な方向性の楽曲がつまっており、聴けば聴くほど新しい発見があるので聴きごたえがすごい。ロックに限らず音楽が好きな人みんな楽しめる。前作までの「ロックバンド」の域を超えた作品。

    フレディ男女一人二役のボーカルとブライアンのギターソロが圧巻の “1.Brighton Rock” から始まり、言わずと知れた名曲 “2.Killer Queen”、疾走感と分厚いコーラスが聴きどころの “4.Flick Of The Wrist”、フーを思わせるUK的 “6.Now I'm Here”、ゴリゴリのメタル的 “7.Stone Cold Crazy”はメタリカもカバーしている。ジョンお得意の軽快なポップナンバー “8.Misfire”、古き良き時代を彷彿とさせる “9.Bring Back That Leroy Brown” はバンジョーがいい味をだしている。“10.She Makes Me” は、散々聞いた挙句にじわじわくる渋い名曲。捨て曲皆無です。

    新しい時代の斬新なハードロックバンドかと思えば、古典風の曲もある。クイーンは新勢力として満を持して世に出た感があるが、年齢的にはスティーブ・マリオットやデビッド・ボウイと同世代。フレディに限っては年上だってことを忘れちゃいけない。ロック創成期を肌で感じている世代、そりゃ懐が深いはず。

    しかし、アメリカ的大衆音楽だと思っていたクイーンが、こんなにドUKとは思わなかった(笑) 


    Sheer Heart Attack(通常盤)

    Sheer Heart Attack(Deluxe Edition)
    1.Brighton Rock 2.Killer Queen 3.Tenement Funster 4.Flick of the Wrist 5.Lily of the Valley 6.Now I'm Here 6.In the Lap of the Gods 7.Stone Cold Crazy 7.Dear Friends 8.Misfire 9.Bring Back That Leroy Brown 10.She Makes Me (Stormtrooper in Stilettoes) 11.In the Lap of the Gods Revisited

    1975年 Night at the Opera(オペラ座の夜)【4th】

    “Bohemian Rhapsody” が収録された名盤。ロック色は強いが、バッキバキのハードロックアルバムを想定して聞くと拍子抜けする。クイーンはただのハードロックバンドではないことを認識しないと、ムダにガッカリするかも。

    「オペラ座の夜」というコンセプトのもと、メンバーそれぞれの多様性が見事に落とし込まれている。 “2.Lazing on a Sunday Afternoon”(うつろな日曜日)は短い曲ながら、コミカルなフレディのボーカルとコーラス、ギターソロまで入った名曲。ウィキペディアによると、「マイクはバケツからのサウンドを拾っており、うつろな『メガフォン』サウンドとなっている。」とのこと。

    映画「ボヘミアン・ラプソディ」のレコーディング風景で、マイクにバケツをかぶせているシーンを覚えているだろうか。あれは何をしているんだろう…と4回観ても謎が解けなかったが、おそらく “Lazing on a Sunday Afternoon” の収録の一コマを現しているのではないか。(時期がズレているので定かではないけど)

    歌詞が宇宙的な “5. '39” は哀愁漂うブライアンの歌声が染みる。ミュージカル調の “6.Seaside Rendezvous” では、フレディとロジャーがボイスパーカッションと指のタップを披露。

    不思議で楽しくてレトロな幻想世界をさまよいながら聴き進めると最後に待つのは “11.Bohemian Rhapsody”。すべてが仕組まれた流れで完成されている。

    しかし、歴史的名盤とは言え好みがわかれるところではある。一曲一曲を良い悪い、好き嫌いと判断せずに組曲のような感じで楽しむことができれば全てが最高にすばらしいと感じられるはず。もちろん捨て曲なんてない。


    Night at the Opera(通常盤)

    Night at the Opera (Deluxe Edition)

    1.Death on Two Legs 2.Lazing on a Sunday Afternoon 3.I’m in Love With My Car 4.You’re My Best Friend 5.'39 6.Sweet Lady 7.Seaside Rendezvous 8.The Prophet's Song 9.Love of My Life 10.Good Company 11.Bohemian Rhapsody 12.God Save the Queen

    1976年 A Day at the Races(華麗なるレース)【5th】

    初期クイーンの集大成。ロック要素は抑えめで、全体的に明るくポップで聴きやすい中に漂うノスタルジックな雰囲気が、クイーンファンの期待を裏切らないアルバム。

    ワルツの調べと怒涛の展開が衝撃的な “4.The Millionaire Waltz” はまさに隠れた名曲。アレサ・フランクリンに影響を受けたというゴスペル風の “6.Somebody To Love” は、たたみかけてくる分厚いコーラスに圧倒される。どちらもフレディ節全開の大作。

    歌謡ポップのような “5.You and I”、ピアノが上品なジゴロソング “8.Good Old-Fashioned Lover Boy” は聴いた事がある人も多いだろう。 スライドギターの気だるい雰囲気が心地よい “9.Drowse” といい、相当に質の良い小曲をちりばめながら、荘厳な大作を差し込むという、やっていることがかなりハイレベル。

    聞きごたえがあるのにサラッと聞けてしまうのがすごいところで、聞く方はこんなにも簡単なのに、生み出す苦労を思うと申し訳ない気持ちにさえなる。

    フレディが「クイーンの音楽は究極の使い捨てポップ」と言っているようだけど、いやいや、太っ腹すぎでしょ…。


    A Day at the Races(通常盤)

    A Day at the Races (Deluxe Edition)
    1.Tie Your Mother Down 2.You Take My Breath Away 3.Long Away 4.The Millionaire Waltz 5.You and I 6.Somebody to Love 7.White Man 8.Good Old-Fashioned Lover Boy 9.Drowse 10.Teo Torriatte (Let Us Cling Together)

    1977年 News of the World(世界に捧ぐ)【6th】

    ロック、パンク、ブルース調の楽曲がバランスよく配置された、シンプルでパワフルなアルバム。パンク全盛期という時代背景と、アメリカ市場を強く意識したと言われているだけに、今までの華麗で荘厳なイメージから一転して硬派な仕上がり。

    “1.We will rock you” については、デラックス・エディションに含まれるFastバージョンがおすすめ。メロディが走っているので新鮮に聴くことができる。パンクシーンへの挑戦状と言える “3.Sheer Heart Attack” は、いつもと違うフレディのタイトなボーカルがいい。いい歳してパンクするのも大変だろうに、「とりあえずパンクもできます」的なスタンスが彼ららしい。その割にないがしろにされ気味なこの曲、実は自分の一番好きな曲のひとつ。

    その後につづく “All Dead, All Dead”、“Spread Your Wings”、“It's Late” と本当に質の高い名曲ぞろい。締めはフレディの魅力が最大限発揮されている “My Melancholy Blues” 。お見事!としか言いようがない。

    必ず聞くべきクイーンのロック・アルバム。



    News of the World(通常盤)

    News of the World(Deluxe Edition)
    1.We Will Rock You 2.We Are the Champions 3.Sheer Heart Attack 4.All Dead, All Dead 5.Spread Your Wings 6.Fight from the Inside 7.Get Down, Make Love 8.Sleeping on the Sidewalk 9.Who Needs You 10.It's Late 11.My Melancholy Blues

    1978年 Jazz【7th】

    自由でのびのび、パワフルでポップでキレッキレ。遊び心にあふれていて、4人が今いかに充実しているかが伺える。フレディの絶妙なおふざけにもメンバーが全力で乗っかるからクオリティがハンパない。

    メンバー4人それぞれの個性がしっかり打ち出され、多様性があるという点でクイーンらしいアルバム。ロックともポップとも言える聴きやすさがあるが、その辺のよくあるポップとは一線を画すので十分楽しめる。具体的な曲についてあれこれ言うのはヤボな感じがするのでまずは聞いてみてください。とても好きなアルバムです。


    Jazz(通常盤)

    Jazz(Deluxe Edition)
    1.Mustapha 2.Fat Bottomed Girls 3.Jealousy 4.Bicycle Race 5.If You Can't Beat Them 6.Let Me Entertain You 7.Dead on Time 8.In Only Seven Days 9.Dreamer's Ball 10.Fun It 11.Leaving Home Ain't Easy 12.Don't Stop Me Now 13.More of That Jazz

    ちなみにこちら↓、フレディ65歳の誕生日を記念してGoogleが2011年に公開した “Don't Stop Me Now” のムービー。巷で良く使われているクイーンの曲の一つで、あえて聞きたいと思ったこともなかったが、この動画のおかげでこの曲の魅力に気づいた。制作者の愛を感じます。耳をまっさらにしてどうぞ!



    1980年 The Game(ザ・ゲーム)【8th】

    これまで避けてきたシンセサイザーを活用したり、今までの音楽性にはなかったディスコの要素を入れるなど、クイーンが新たなステージへ進んだことが明確にわかる。

    ジョンのファンク嗜好が開花した “3.Another One Bites the Dust” は、特長的なベースラインに乾いたキックとハイハットが心地いい。超絶ポップな “4.Need Your Loving Tonight” も、もちろんジョンの作品。電子ドラムの乾いた音とフレディののびやかなボーカルが爽快な “9.Cooming Soon”。“10.Save Me” では、シンセサイザーを取り入れつつも今までのクイーンらしさを感じることができる。

    シンプルでポップで、クイーンならではの多様性に富んだこのアルバムはアメリカで1位を獲得。今までのクイーン・サウンドへのこだわりを開放し、新たな次元への挑戦を試みるクイーンを応援したくなる一枚。

    しかし、何をやっても完成度がすごい…


    The Game(通常盤)

    The Game(Deluxe Edition)
    1.Play The Game 2.Dragon Attack 3.Another One Bites The Dust 4.Need Your Loving Tonight 5.Crazy Little Thing Called Love 6.Rock It 7.Don't Try Suicide 8.Sail Away Sweet Sister 9.Coming Soon 10.Save Me

    1980年 Flash Gordon(フラッシュ・ゴードン)【9th】

    クイーンが初めて手掛けた映画のオリジナル・サウンドトラック。SF映画ということもあり、シンセサイザーを駆使した今までのアルバムの延長線上には全く乗らないアルバム。

    シンセサイザーとブライアンのギターの融合は迫力があるし、グランドピアノの音色も楽しめる。クイーンならではの分厚いコーラスも健在。ところどころに映画のセリフが取り入れられており、映画を見ていないと謎な部分がたくさんある。それはそれでSFの世界を想像しながら楽しめるが、けっこうセリフが多いので途中ちょっと飽きる。

    当時に思いを馳せながら1980年時点での最新のシンセサイザーの音を聴くのもオツ。“5.Football Fight” は、当時ならではの安っぽいシンセポップ(褒めている)風で聞けば聞くほどハマる。しかし、デラックス・エディションのボーナストラックに収録されているピアノバージョンが、実にフレディらしく格別に良い。

    最後の曲 “The Hero” は、初期クイーンを彷彿とさせる壮大な旋律にフレディのボーカルがのった、往年のファンの期待を裏切らない仕上がり。

    とにかく、新しいものに挑戦し続けるクイーンらしさが溢れているところがいい。クイーンのファンでなくても「音」が好きな人は楽しめるのではないか。

    自分はクイーンのエレクトロニカ音源としてかなり気に入ってます。


    Flash Gordon(通常盤)

    Flash Gordon(Deluxe Edition)
    1.Flash's Theme 2.In the Space Capsule (The Love Theme) 3.Ming's Theme (In the Court of Ming the Merciless) 4.The Ring (Hypnotic Seduction of Dale) 5.Football Fight 6.In the Death Cell (Love Theme Reprise) 7.Execution of Flas 8.The Kiss (Aura Resurrects Flash) 9.Arboria (Planet of the Tree Men) 10.Escape from the Swamp 11.Flash to the Rescue 12.Vultan's Theme (Attack of the Hawk Men) 13.Battle Theme 14.The Wedding March 15.Marriage of Dale and Ming (and Flash Approaching) 16.Crash Dive on Mingo City 17.Flash's Theme Reprise (Victory Celebrations) 18.The Hero
    1982年 Hot Space(ホット・スペース)【10th】

    70年代のクイーンとは全く違う、ファンク色の強いアルバム。1曲目からファンキーなベースライン、ブリッとした低音とホーンに度肝を抜かれる。ソウルフルな “2.Dancer” に続き “3.Back Chat” は完全にクラブミュージック。シンプルなフレーズに力強いフレディのボーカルが映える。シンセサイザーの使い方もミニマルで効果的。80年代特有の安っぽさは全く無い。今までのクイーンに無かった音とソウルフルなボーカルはパンチ力絶大。

    “8.Calling All Girls” はロックとテクノが絶妙に融合したロジャーらしいトラック。フレディのボーカルも文句のつけようがない。後半はファンク色が薄れ今までのクイーンぽさも感じられる。 “9.Cool Cat” はフレディがファルセットで歌う。デヴィッド・ボウイとの即興で生まれた“10.Under Pressure”も収録。冒頭の(Vanilla Iceにパクられた)リフはジョンの案である。

    当時はブラックミュージックへの挑戦が裏目に出てしまい売り上げが伸びなかったようだが、後追い世代には何の違和感もない。ファンクと言ってもコーラスもギターもボーカルも、間違いなくクイーンである。フレーズもすぐに耳に馴染むし、音を追うのも楽しい。完成度が高く、聞いていて飽きない。

    常に新しい事に挑戦し成し遂げる、クリエイティブでプロフェッショナルなクイーン。新たなクイーンの魅力がダイレクトに伝わってくる、好きなアルバムです。


    Hot Space(通常盤)

    Hot Space(Deluxe Edition)
    1.Staying Power 2.Dancer 3.Back Chat 4.Body Language 5.Action This Day 6.Put Out the Fire 7.Life Is Real 8.Calling All Girls 9.Las Palabras De Amor (The Words of Love) 9.Cool Cat 10.Under Pressure

    1984年 The Works(ザ・ワークス)【11th】

    前作のブラック路線から一転して、パワフルな王道ロックに原点回帰したアルバム。映画ボヘミアン・ラプソディでもおなじみ、“Radio Ga Ga”、“I Want to Break Free”、 “Hammer to Fall” など、クイーンの代表曲が収録されている。

    スタジアム級のライブバンドに成長した彼ららしく、楽曲にスケールの大きさを感じる。時代的にもシンセサイザーを駆使したものが多く、もしこれがクイーンじゃなかったら「80年代の音」と一括りに片付けてしまっていたかもしれない。しかし、改めてまっさらな耳で聞いてみると楽曲の良さが際立ってくる。後期クイーンは、今まであまり目立たなかったジョンとロジャーの作曲センスに救われていると言っても過言ではない。

    ジョンの傑作 “I Want to Break Free

    このアルバムでかなり大御所感がでてきたクイーン。80年代の大人になったクイーンの魅力が開花したアルバムと言える。

    しかし、個人的には70年代の勢いと危うさがクイーンの最大の魅力だと思っているので、貫禄のある大衆相手のスタジアムバンドになったクイーンにはあまり惹かれない。しかし、初期から聞き進めていると、音楽性の変遷や時代の流行りを踏まえた上で理解して聞くことができるので、それは後追い世代の特権だと思う。

    ちなみに、デラックス・エディションにボーナストラックとして収録されている、Radio Ga Gaのカップリング曲 “I Go Crazy” がなかなかいい。ブライアンのブレないロック魂に期待以上のボーカル力を発揮するフレディ。本当に何でも歌えるんだな…。これも隠れた名曲のひとつに他ならない。

    I Go Crazy


    The Works(通常盤)

    The Works(Deluxe Edition)
    1.Radio Ga Ga 2.Tear It Up 3.It's a Hard Life 4.Man on the Prowl 5.Machines (Or 'Back to Humans') 6.I Want to Break Free 7.Keep Passing The Open Windows 8.Hammer to Fall 9.Is This the World We Created...?

    1986年 A Kind of Magic(カインド・オブ・マジック)【12th】

    SFファンタジー映画「ハイランダー 悪魔の戦士」の非公式サウンドトラックの一面を持つアルバム。数曲が挿入歌として使用されている。テーマ曲となっている “9.Princes Of The Universe” は、フレディ節が存分に発揮されたドラマチックな展開が聞きどころ。

    映画の挿入歌以外の曲もあるため、最初聞いたときは、なんとなくつかみどころのない感じがしたが、サウンドトラックと聞くと、なるほど、それほど違和感がない。

    ギターの入らないバラード調の “3.One Year Of Love” や、ソウルな雰囲気を醸す “4.Pain Is So Close To Pleasure” など、SF映画の世界観を持ちつつも変化に富んでいる。 “5.Friends Will Be Friends” は冒頭の泣きのギターに好き嫌いが分かれそうだが、慣れるとすごく良い曲である事に突然気づく。

    全体的な印象として、シンセサイザーの多用、ブライアンのギターの高音、フレディの歌声(歌い方)すべて貫禄がありすぎるというか、おじさんっぽいというか、80年代的で少し古くさい。正直、クイーンでなければ自分はあえて聞かないだろうアルバム。(良い悪いではなく、好みの問題)

    そんな中、“2.A Kind Of Magic” は、乾いたドラムの質感とフレディのエモなボーカルが絶妙なバランス。ロジャーとフレディの色が合わさって魅力的に仕上がっている。ボーナストラックのデモ音源は、曲の魅力が最大限引き出されていて、改めていい良い曲なんだなと感じる。(個人的にシンプルなデモ音源が好きだったりする)

    最初は好みじゃないな…と感じたが、聴きこむうちに脂がのりすぎているクイーンにも慣れ、逆にその良さが分かるようになってくるから不思議。

    クイーンの発表する楽曲は、どんな曲でも基本的にクオリティが高いので飽きずに聞きこむことができる。本当に手を抜かないプロフェッショナルな仕事をしているんだな…と次元の違いを感じる。


    A Kind of Magic(通常盤)

    Kind of Magic(Deluxe Edition)
    1.One Vision 2.A Kind of Magic 3.One Year of Love 4.Pain is Close to Pleasure 5.Friends Will Be Friends 6.Who Wants to Live Forever 7.Gimme the Prize 8.Don't Lose Your Head 9.Princes of the Universe

    1989年 The Miracle(ザ・ミラクル)【13th】

    最初の数曲を聴いて『彼らも40歳を過ぎ(ジョン以外)、地位もお金も手に入れてすっかりメジャーの頂点に腰を据え、安定のおじさんロックバンドになったな…』と思いそうになったが、The Invisible Man を聞いて気が変わった。

    クラフトワークばりの電子音にループ中心のテクノポップ?! このブリブリしてミニマルな展開のトラックはやはりロジャー。そしてこのMVがまたいい。皆さん相変わらずで…(笑)

    もう1曲、これまたYMOかよ(しかも君に胸キュン)、と突っ込みたくなるようなシンセポップ風の “Rain Must Fall”。このブレのないポップセンスは案の定ジョンの曲。

    この2曲が良いアクセントとなっており、音楽性の幅が広がるとともに全体的に漂う切羽詰まったような緊張感が緩和されているように感じる。

    後期クイーンはギターとフレディの高音がうるさく、脂がのりすぎた派手な曲展開もちょっと古くさく感じるが、聴き込んでいくとけっこういい曲がある。“4.I Want It All” は、Single Version(デラックス・エディションに収録)だと2:07あたりから入るブレイクのおかげで後半の疾走感をより感じられる。冒頭も前奏なく始まるのでちょっとだけシンプル。

    “I Want It All” のB面の “Hang On In There” (デラックス・エディションのボーナストラックに収録)は、曲後半(2:33あたり)から入ってくるピアノがいい。

    80年代に入ってロジャーとジョンの音楽センスがデジタル時代とマッチして相当な威力を発揮。後期クイーンの大きな原動力となっている。クイーンらしい派手な王道ロックを引き継ぎつつ、現状に満足せず常に新しいことに取り組む昔と変わらないクイーンが感じられるので、ファンにはうれしいアルバムだと思う。

    フレディがこの世を去るまで、あと2年半。


    The Miracle(通常盤)

    The Miracle(Deluxe Edition)
    1.Party 2.Khashoggi's Ship 3.The Miracle 4.I Want It All 5.Breakthru 6.Rain Must Fall 7.Scandal 8.My Baby Does Me 9.Was It All Worth It


    1991年 Innuendo(イニュエンドウ)【14th】

    フレディがこの世を去るまで、残り8カ月。死に伴う全ての感情を「フレディ・マーキュリー」というエンターテイナーを演じることに注ぎ込んでいる様子が壮絶。吹っ切れたパワーが逆に切ない。

    1曲目の “Innuendo” は、後期クイーンに見られる大衆的王道ロックから一転、昔のクイーンを彷彿とさせるような、華麗で複雑なメロディ展開のある壮大な楽曲。このアルバムにかけるメンバーの魂を感じる。

    “3.Head long” や “4.I Can't Live With You” などの後期クイーンらしい王道ロックも健在だが、鬼気迫る歌声に胸をえぐられる気持ちになるのが “2.I'm Going Slightly Mad” と “12.The Show Must Go On”。死の直前とは思えないほどパワフルな声に胸がいっぱいになる。“8.These Are The Days Of Our Lives” は、歌詞を知ってしまうと涙なしでは聴けない。それ以上に、この時期のMVこそ涙なしでは見られない。

    全てのアルバムを聴いた一番最後に、愛をもって聞きたい。


    Innuendo(通常盤)

    Innuendo(Deluxe Edition)
    1.Innuendo 2.I'm Going Slightly Mad 3.Headlong 4.I Can't Live With You 5.Don't Try So Hard 6.Ride The Wild Wind 7.All God's People 8.These Are The Days Of Our Lives 9.Delilah 10.The Hitman 11.Bijou 12.The Show Must Go On
    1995年 Made in Heaven(メイド・イン・ヘヴン)【15th】

    フレディが力の限り残した音源に手を入れて仕上げた追悼アルバム。フレディの声は伸びやかで本当に美しい。こんなに声がきれいな人だったんだなぁと改めて実感。3人がそれぞれボーカルをとる “3.Let Me Live” と12曲目の隠しトラックは心に染みる。が、全体的にきれいに真面目に(そして90年代風に)仕上がりすぎている感じがしてクイーンぽくない。普通すぎる感じ。

    しかし、ボーナストラックに収録されている “I was Born To Love You” のボーカル&ピアノバージョンや “My Life Has Been Saved” の1989年 B-Side Versionは、仕上がりがシンプルなのでフレディを近くに感じることができる。

    危うく2,3回聞いて終わっていたかもしれないこのアルバム。何度か聞いているうちに、フレディの気持ちとそれに応えるメンバーの気持ち(とプロの技術)が伝わってきて、また聞きたいと思うようになった。最後までハイレベル・ハイクオリティ・ストイックでプロフェッショナル、そしてファン想いなクイーンを感じられるすばらしい追悼アルバムに間違いない。


    Made in Heaven(通常盤)

    Made in Heaven(Deluxe Edition)
    1.It's a Beautiful Day 2.Made in Heaven 3.Let Me Live 4.Mother Love 5.My Life Has Been Saved 6.I Was Born to Love You 7.Heaven for Everyone 8.Too Much Love Will Kill You 9.You Don't Fool Me 10.A Winter's Tale 11.It's a Beautiful Day (Reprise)

    どメジャーの頂点にいるがために逆にスルーされがちなクイーン。「大衆的おじさんロック」、「色物系」などのイメージがつく理由を、自分の耳で確かめてみると面白いと思います。


    クイーンを聞く前
    ●巷で聞くクイーンの曲が別に好きじゃない
    ●どメジャーすぎて聴く気もおきない
    ●80年代の大衆ロックが好きじゃない
    ●アメリカがイギリスかもわからない
    ●色物系

    クイーンを知ってから
    ●代表曲以外に名曲が死ぬほどある
    ●偏見を捨てて聴くべきだった。灯台下暗し
    ●70年代を聞け。80年代はシンセサイザーとの融合が面白い
    ●聴けばまぎれもないUKバンドだとわかる
    ●色物で片付けられないポテンシャル(フレディが色物であることは間違いない)

    オリジナルアルバムを聴き倒しても、ライブアルバム、BBCセッション、ボーナストラックなどまだまだしばらくクイーンを楽しめるのでご心配なく!

    クイーンの全楽曲の中から好きな曲ベスト20と好きなアルバムランキングを出してみました。興味のある方はぜひどうぞ↓

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