オーバー40で初ガンダム
特別アニメ好きではないアラフォー女子による

機動戦士ガンダム
宇宙世紀シリーズ
視聴メモ

映画「閃光のハサウェイ」がついに公開されました。私も公開翌日に一人で見に行きましたが、臨場感があってとても楽しめました(男女比がえげつなかったです)。もともとマンガやアニメをよく見るタイプですらないのですが、このコロナ禍でガンダム宇宙世紀シリーズを一気見したところ色々と面白かったので備忘録としてまとめてみました。


かなり偏った見方かもしれませんが、興味を持つキッカケの一つになりましたら幸いです。(※ネタバレというほどのネタバレは無いつもりですが、情報をあまり入れたくない方は読まない方が良いかもです)

まずはテレビアニメシリーズの最初の2作品「機動戦士ガンダム(1979年放送)」と「Zガンダム(1985年放送)」を中心とした視聴メモをご紹介します。

作画がアート

今ではなかなか見かけることのないアナログ感が逆に斬新。色使いや質感がおもしろい。予算制限で使える色数がかなり少ない中でいかに遜色なく見せるか、というところに並々ならぬセンスと腕と労力を感じます。味があってまとまりもよくて、とてもステキな仕上がりだと思いました。

シャアの乗る赤いモビルスーツ(ズゴック)と、コックピット内のシャアの動きがリンクする演出はもはやアートです。最近のアニメではお目にかかれないアナログ感の良さが最大限生かされたシーンだと思いました。3倍速で走るズゴックがかわいい。

>機動戦士ガンダム 第29話 「ジャブローに散る!」

宇宙が舞台。リアルとファンタジーのバランスが絶妙

基本的にはリアリティのある戦争アニメなのだけれど、宇宙空間で繰り広げられる架空の設定にファンタジーを感じずにはいられない。

こちらは宇宙要塞ソロモン。キラキラしてきれい。細長い窓みたいな光は戦艦の発着場所(港)。なんか夢がある。

作画がゆるめ

ガンキャノンの腕がなぜかグレー。(本当は赤)

セイラさん、最初はシュッとしていたはずなのに後半になるとどうもスタイルがおかしい。作画監督の安彦氏が入院してしまった影響でしょうか。

後ろの自販機、Bearって(笑)

音楽や効果音がいい

機動戦士ガンダムではアナログシンセサイザーの音が楽しめる。戦闘シーンの曲「颯爽たるシャア」は普通にかっこいい。特に中盤からのベースラインとその後の展開が個人的に好き。

Zガンダムは、オープニング曲「水の星へ愛をこめて」はもちろん、三枝氏の世界観がすばらしい。また、かしぶち哲郎氏の手がけた「0080 ポケットの中の戦争」のサントラもヘビロテ必至。懐かしくてちょっと切ない気持ちが味わえます。

太平洋戦争を彷彿とさせる小ネタがあちこちに

月面都市「フォン・ブラウン市」、世界初の弾道ミサイルを開発したドイツ人「フォン・ブラウン氏」からとった名称。アメリカに亡命して宇宙開発に貢献した人です。また、OVA作品「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY」に出てくる「アナベル・ガトー」。前述の宇宙要塞ソロモンで大活躍したエースパイロット。これはおそらく太平洋戦争での激戦地、ソロモン諸島のガダルカナル島(通称ガ島)が由来だと思われます(未確認ですが)。ちなみに、閃光のハサウェイも太平洋戦争で戦地となったミンダナオ島(ダバオ市)が舞台です。

兵器もガチ感あります。機動戦士ガンダム、地球連邦軍の突撃艇パブリク。モビルスーツは兵器とはいえロボット感が強いけど、これは日本軍の特攻兵器を連想させるようなリアリティがある。かわいいけどコワい。桜花みたい…


食事の皿が薄い

食器がいつも薄いのが気になっていたのですが、実際に軍で使われる仕切り皿(配膳不要、簡単に洗える、丈夫)が元となっているらしいです。なるほど、芸が細かいです。
上から、機動戦士ガンダム(2枚)、Zガンダム(2枚)、ポケットの中の戦争、ガンダムUC、閃光のハサウェイ

紅茶飲ませがち

上/Zガンダム、下/ポケットの中の戦争
ここに挙げた以外にも紅茶を飲むシーンは結構出てきます。現実世界でもノリタケとコラボしたジオンのザビ家のティーカップが販売されたことが過去にありました。次は紅茶もコラボしてほしいです。ちなみにジオン公国のザビ家は、トスカーナ公国のメディチ家みたいなノリを想像するとステキ度が上がります。

OP・EDで走らせがち

上/Zガンダム エンディング、下/0083 STARDUST MEMORY オープニング。

流行りのシティ・ポップです♪

ちなみに、Zガンダム第一話の序盤、カミーユが港へ行くため車まで急いで走っているところにファが合流するシーンがある。けっこうな時間走っている。なぜだかこのシーンが大好きです。

Zガンダムのタイトル

青ベタに黒文字の質感がいいなーと思っていたら25話から背景がグラデに。誰かに「暗い」とか言われたのかな。

戦時下の過ごし方

戦時下でも心休まるアーガマの談話室には昭和な自販機がある。艦内での男女の恋愛は“レクリエーション”として適当に楽しんでいる様子。グローバルな環境だし、いつ死ぬかわからないし、恋愛はオープンな模様。ちなみにこちらの2人(エマ中尉とクワトロ大尉)は特に何もない。

瞳孔が開いている人達がいる

登場人物の中で、目が他の人と違う人がいるのが気になっていた。この手の眼を持つ人たちの共通点は全員レベル高めのニュータイプだということ。上から、ララァ、シロッコ、ハマーン。

かわいそうな強化人間

高い能力を持つニュータイプに近づけるために意図的に脳をいじられた人が「強化人間」。身体に大きな負荷がかかっているので突然ひどい頭痛に襲われたりするのがとても辛そうでかわいそう。強化人間やニュータイプという概念はガンダム最大のテーマの一つ。

強化人間は情緒不安定だったりちょっと変わっている人が多く、特にロザミーのぶっ飛びっぷりは半端なかった。ガンダムZZのプルもなかなかだったけど…。

気になるキャラ1:ウォン・リー(Zガンダム)

言いたいことをすべて言ってくれる漢。一見うるさくて凶暴でパワハラ的なおじさんなんだけど、案外人の意見は聞くし言ってることもすべて正論。頭キレッキレだしプチモビにも自ら乗る。洒落たスーツがいつも決まっている。ZZではただの老害になり下がる扱いもまた良し。

気になるキャラ2:レコア・ロンド(Zガンダム)

オシャレでナイーブで色々とこじらせているレコア少尉。Zガンダムはキャラクターの設定や心理描写がとても丁寧で魅力的だと思う。

気になるキャラ3:あいみょん似のファ・ユイリィ(Zガンダム)

なんだかんだで一番いい人だと思う。エマさんはこんな格好しているけどメンタルは男。

気になるキャラ4:かわいそうでかわいいミネバ

幼くして国のトップに担ぎ出されがんばっているミネバ。ハマーンをねぎらう優しいミネバ。高圧的なしゃべりが染みついてるミネバ。

情報がわからない、話が見えない…のが逆におもしろい

モビルスーツや戦艦の名前がわからない。“サチワヌ”(サラミス改級宇宙巡洋艦)は何度聞いても何の事だかわからなかった。このような「わからない事」を調べながら徐々に理解していくとだんだん楽しくなってくる。戦艦の分類や等級まで分かりだすと見方が増えてさらにおもしろくなる。
>Zガンダム 第10話 「再会」

ガンダムって情報量が膨大な上にMS(モビルスーツ)や戦艦の固有名詞、戦争用語などが含まれてくるから一瞬たりともボーっと見られないのが疲れる。そもそもMSの戦闘に興味がなかったので何度か挫折しそうになったけど、作画やデザインがいいし、人間模様の描写や心理の追求なども含めて全体的に深くて壮大になっているので、そこに気づき始めるとどんどんおもしろくなる。リアルとファンタジーのバランスが絶妙。

それと、スペースコロニーの位置関係がわかりにくい。ガンダムは地球圏(地球、月、スペースコロニー群で形成される人類の生活領域)をまたにかけるので、どこをどう移動しているのかを追うとおもしろいのに、なかなか良い地図がなくて探すのにも苦労する。

機動戦士ガンダムで、地球に降りてからジャブロー(連邦軍の基地)へ行くまでがやたら長くて中だるむ。降下した位置とジャブローへのルートを調べてみると大まわりしていることがわかった。逆にガンダムUCでは移動が早すぎて、戦艦やMSの速度と距離感がわからなくなりストレスになったこともあった。

モビルスーツも、慣れてくるとロボットというより兵器として見られるようになり、ロボットアニメに対する違和感も自然と薄れてきた。ちなみに一番好きな戦闘シーンは、0080 ポケットの中の戦争の冒頭、サイクロプス隊による新型ガンダムの奪取作戦(アラスカから北極基地を攻める)。色、音楽、シチュエーションがいい。ムーンライダーズのかしぶち哲郎氏による音楽のセンスが良すぎてサントラをかなり聞き込みました。アニメもなかなかトリッキーなのでおススメです。

もう一つ、ファーストガンダム(機動戦士ガンダム)の成り立ちの話となる作品「ガンダム オリジン」の中の、ルウム会戦の戦闘シーン。モビルスーツが普及していない時代の話なので戦艦中心の戦いなのですが、日露戦争のT字戦法を思わせるシーンもあり大迫力。ガンダムには過去の日本軍の戦争のネタがかなり投影されている模様。安彦さんが総監督だったからかな?ちなみに、富野監督の父親はゼロ戦の戦闘服の設計チームにいたらしいです。

気分転換にサクッと頭を使わずに見られるアニメとは違ってガンダムは難しいです。わからないことだらけでストレスを感じることもあるけど、調べたり、ふとしたタイミングで理解したり、わかるようになる過程におもしろさを見出すようになるから不思議。ロボットやSFに興味がなくても、歴史や地理、戦争モノに興味がある人は入りやすいと思います。設定もリアル(だけどファンタジー)なので気楽に楽しめるはず。まさに、アニメだけどアニメじゃないです(笑)

ハサウェイ・ノア登場

妹のチェーミン・ノアとともにZガンダムに登場。ミライさん、初代ガンダムの時に比べるとすごくキレイになった。いつも上品でオシャレ。


このように、ガンダムはモビルスーツに興味がない人でも楽しめるポイントがたくさんあるので、何か一つでも興味を惹かれる部分があればガンダムにトライしてみても良いかもしれません。私の場合は音楽やデザイン、歴史や戦争、地理、人間関係などの観点からかなり楽しむことができました。また、1度見ただけでは取りこぼしが多すぎるので2回以上見ることをおすすめします。(というか、見たくなると思います)

ガンダムはプライムビデオなどでの無料配信がなかなか無いのですが、ガンダム好きの旦那さまであればご自宅にすでに一通りそろっているはずですので、お金をかけずにしばらく楽しむことができます。

機動戦士ガンダムはアムロとガンダムを主軸にした「一年戦争」が描かれていますが、別のコロニーを主軸にしたサイドストーリーも存在します。色々な視点から一年戦争を見ることができるのもガンダムならではかもしれません。

下記に他作品を含めた宇宙世紀シリーズの感想をかなりサラッとまとめてみました。参考になればと思います。※U.C.は「宇宙世紀」の略


ガンダム宇宙世紀シリーズを一通り見て感じたのは、男性が好む要素が多く話がややこしいので、正直女子にはハードル高めなのは事実だと思いました。また、一見勧善懲悪のロボットアニメの風が漂っている感じも興味がそそられない要素の一つかなとも感じます。

アムロたち地球連邦軍もシャアのジオン軍もお互いの正義を信じて戦っているため、少なくとも善と悪が明確なヒーローものとは真逆の世界ですね。とはいえ、子どもが楽しめるように仕上げないといけないし、プラモデルやおもちゃも売れなきゃいけないし…という背景もあって、リアルで大人向けな要素と子どもも楽しめる要素が入り混じってより一層複雑で難解で誤解を生むような作品イメージになっているのかな、と感じました。

「ガンダムおもしろいから絶対見て!」と気軽に人におすすめできるアニメではないですが、ガンダムに対するポジティブな気持ちが少しでもあれば、先入観を捨てて一度じっくり見てみるのも良いと思います。一度おもしろさに気付いてしまえばこっちのものです。ガンダムの世界に馴染むまでのちょっとしたストレスを乗り越えた人だけが、リアルで壮大な戦争ファンタジーの醍醐味を味わえるといっても過言ではないと思います(笑)


執筆者プロフィール:
macomo
都内在住
音楽、デザイン、歴史、地図、植物、写真、映画、ドキュメンタリー、読書、散歩好き。
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